私が福祉業界に入職したきっかけは、友達のように接してくれた祖父が突然、脳内の血管が詰まり倒れたことに起因します。
このことで祖父は片麻痺と言葉が上手く出なくなる後遺症が残り、時間経過と共に認知症が進行しました。トイレの頻回、幻覚や喜怒哀楽の感情等が激しく見られるようになり、最終的には歩行困難となって全身麻痺でベット上での生活になりました。
元気だった頃は体を動かしたり、美味しい物を食べたりする事が大好きだった祖父が、流動食で食事をする姿は考えられませんでした。日々の生活が大きく変化し、様々なことにも制限がかかり、辛い時間を送っているように見えました。祖父が残りの人生を楽しむこともなく、苦痛の中で旅立っていくのは残酷すぎると思いました。しかし、当時の私は側で寄り添い、少ない会話の中で祖父の表情を見ることしかできませんでした。
「もっと何か出来なかったのか」という想いが入職のきっかけです。